2014年10月26日日曜日

Today's Report FILM「名シェフの味」を1000円以下で。東京国際映画祭のキッチン・カー「東京映画食堂」



金坂真次のキッチンカー。Photograph:Marino Matsushima

イベントにおける「食」の質とヴァラエティは、そのイベント自体の満足度にも直結するポイントだ。東京国際映画祭のメイン会場である六本木ヒルズはもともと多くの飲食店を擁し、選択肢には事欠かなかったが、今年はさらにスペシャルな企画が登場。日本を代表する5人の有名シェフによる、期間限定(10月24日~31日)のキッチン・カー「東京映画食堂」である。

1階のヒルズアリーナを取り囲むように並ぶのは、和食の金坂真次(鮨かねさか)、松久信幸(
NOBU TOKYO)、中華の脇屋友詞(Wakiya-笑美茶樓)、イタリアンの片岡護(リストランテ アルポルト)、そしてフレンチの須賀洋介のキッチン・カー。それぞれ3~4品を準備し、売り切れ次第終了する。メニューはいずれも1000円以下と手ごろで、今まで彼らの料理に触れたことが無くとも気軽に“トライ”できるのが魅力だ。
24日昼に行ってみると、平日ということもあってかまだ長蛇の列というわけではないが、片岡ら、雑誌等で見慣れた顔が車の内外で笑顔で応対。片岡のキノコ入りボロネーゼのキタッラ(パスタ)850円と、松久の松茸ご飯最中(500円)を買ってみた。ゆで時間5分強を待って車の窓から受け取ったパスタはキノコのうまみがボロネーゼソースに行き渡り、讃岐うどんのような腰のあるキタッラにほどよく絡む。コンビニの肉まんのように小さな白い紙袋に包まれて出てきた最中は、NOBUと焼印が押されたスペシャル仕様。最中とご飯のマリアージュはなかなか思いつかない発想だが、よくありがちな、舌にはりつくような最中ではなく、ぷりっと噛みごたえのある最中の中にややねっとりとしたご飯が入っていて、面白い食感が楽しめる。

キノコ入りボロネーゼのキタッラと松茸ご飯最中 Photograph:Marino Matsushima
両者とも量はかなり少な目で、パスタは通常の外食パスタの8割程度の量。最中のほうは女性の手のひらにすっぽりおさまってしまう大きさだ。おそらく、1000円以内という「手ごろな価格」を優先した結果のサイズなのだろう。日本を代表するシェフたちの味を一度に、それも気軽に楽しめる機会はそうそうあるものではないので、ここはお味見と割り切って、なるべく多くのメニューを買って家族や友人でシェアするのはいかがだろう。

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